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石川達三「蒼氓」 |
戦前における南米移民の情景を移民船"らぷらた丸"を舞台にリアルに描写した作品です。以前読んだ山田廸生氏の「船にみる日本人移民史」の中で「蒼氓」の内容が断片的に引用・紹介されていたため、続けて読もうと思ったのですが、その当時は文庫本の版が切れており、入手できませんでした。その後、古本屋に立ち寄った際に探すようにしていたところ、長崎駅前の古本屋にてようやく見つけることが出来ました。
読む前は、意図的に悲惨な描き方をしているのではないか、といった先入観があったのですが、読んでみるとそれ程違和感はなく、色々と当時の農民の状況について考えさせられる話でした。なお話の冒頭にて舞台となる神戸移住センター(当時は国立移民収容所)は自宅から歩いていける所にあり、見学もできるようなので、一度行ってみようかと思っています。
(2003/6/30購入、2004/4/18記)
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蒼氓(新潮文庫)
詳しいレビューが掲載されています。現在は残念ながら在庫切れ状態です。