大雑記帳
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投稿日 ≫ 2004/06/06  分野 ≫ 読書メモ
森薫「エマ」他

■はじめに
森薫さんは、元々県文緒というペンネームで個人誌を出されていましたが、2002年より月刊誌のコミックビーム(エンターブレイン)にて連載を開始し、商業誌にて活動されるようになりました。現在も連載中であるデビュー作の「エマ」は、19世紀末の英国を舞台にした本格的なメイド漫画として人気を博しています。作品の特徴としては、随所に溢れる作者のこだわり、圧倒的な密度の作画、抑制のきいた演出、といった点が挙げられるかと思います。

私の場合、本屋の店頭で何気なく「エマ(1)」を購入したのですが、読んでみて実に良質の漫画だったので驚きました。特にメイドさん好きという訳ではなかったのですが、英国好き、ホームズ好き(犬の方ですが)といった要素は持っていたせいかすっかりはまってしまいました。
(2003/11/30)

■森薫「エマ(1)~(3)」
19世紀末の英国を舞台にした、メイドであるエマと上流階級の紳士であるウィリアムという階級の異なる二人の恋物語です。特徴は概ね"はじめに"に書いたとおりですが、作者のこだわりがよい方向に作用しており、万人にお勧めできる作品になっていると思います。全ての単行本についているあとがき漫画も、本編とは別の意味で楽しめます。

既刊の単行本には各7話ずつ収録されています。お話的には既に折り返し点を過ぎているとのことです。コミックビームの連載の方は、最近主人公の出番がないのが寂しいです。

■森薫「シャーリー」
作者の個人誌時代の作品集。2003/2に「エマ(2)」と同時に発売。表題作の主人公シャーリー(13歳少女メイド)の可愛さに、読む人の変なスイッチが入ってしまうことで有名です。私の場合、ベネットさん(女主人)の方がツボでした。「エマ」と比べると全体的な完成度はやや低めかもしれませんが、魅力的なキャラクターに支えられた十分楽しめる作品ではないかと思います。

■森薫・村上リコ「エマ ヴィクトリアンガイド」
「エマ」の作品背景に関する解説書(ライターさんと共著)。2003/11に「エマ(3)」と同時に発売。イラストを交えた様々な説明は分かり易く、内容も盛り沢山で、ビクトリア朝に関する格好の入門書となっています。当然ながらメイドさんに関する説明には気合いが入っています。参考文献リストは充実しており、エマの書き下ろし番外編も入っているなど、「エマ」の読者であれば買って損はないと思います。

■伯爵夫人の昼食会
http://pine.zero.ad.jp/~zad98677/
森薫さんの公式サイト。盛り沢山の内容で実に楽しめます。

□amazon.co.jpでの紹介頁
エマ (1)Beam comix
エマ (2)Beam comix
エマ 3 (3)BEAM COMIX
シャーリーBeam comix
エマヴィクトリアンガイドBEAM COMIX

Posted by kowa at 2004/06/06
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